KONO YASUTAKA OFFICE
河野恭孝社会保険労務士事務所

NEWS


お知らせ

2023.03.22

補助金と助成金


補助金と助成金、名前は似ているのですが似ても似つかぬもので、よく間違われます。

代表的な補助金として、

・事業再構築補助金(業種転換など)

・ものづくり補助金(設備投資など)

・IT導入補助金(自動化ツール導入等)

・小規模事業者持続化補助金(販路開拓をしたいときなど)

などがあります。

代表的な助成金(社労士の独占業務)としては

・キャリアップ助成金(契約社員等を正社員にした時)

・両立支援等助成金(育児休業を取得した時)

・特定開発者雇用助成金(高齢者等を雇用した時)

・65歳超継続雇用促進コース(定年制の延長等)

などがあります。

補助金や助成金は種類が多く、どれが補助金かどれが助成金かが非常にわかりづらいかもしれません。一つの見分け方として、設備や事業計画に関しては補助金、人に関しては助成金に当てはまること多いです。

求められる資料としては、補助金は貸借対照表や損益計算書、事業計画書などを求められるケースが多く、助成金は賃金台帳や出勤簿、就業規則などを求めてくることが多いです。

一番いい見分け方は提出先がどこになってるかです。経済産業省に提出なら補助金で厚生労働省に提出なら助成金です。

2023.03.21

自己投資と金融投資


企業型確定拠出年金(DC)が注目されています。ざっくり言ってしまうと、掛け金に対して税金と社会保険料が免除となり、運用益に対して非課税になるとてもお得な制度です。

原則60歳まで引き出しは不可能で、転職先に確定拠出年金(DC)がある場合にはそのまま移転が可能です。

こういった話をすると、

自己投資が最高!金融投資なんて必要ない!

といった頭の〇〇な人間が必ず出てきます。

2,000時間働いて年収500万円の従業員がいます。その人が生み出す時給は2,500円です。

100万円投資をして、3%のリターンがあった場合に3万円の利益が出ますがその銘柄選別に1時間かかったとしたら時給換算で3万円になります。

給与所得には税金と社会保険料がかかりますが、金融所得には金融所得課税(約20%)しかかかりません。

金融所得には定年制度はありませんし、会社が倒産しても関係ありません。

自己投資と金融投資のバランスが必要であり、自己投資だけでOKとか金融投資だけでOKとかではないと思います。

2023.03.21

物価高と中小企業の賃上げ


中小企業にも賃上げの波が押し寄せています。

アンケートで賃上げをすると答えた企業は8割、昇給率は3%~5%が最多のようです。

あまりニュースには出ていませんが、年金の支給額も約2%上がります。

基本給を上昇させると残業手当や社会保険の等級も当然上がります。

残業手当の基礎に含まなくていい手当は、

1 家族手当

2 通勤手当

3 別居手当

4 子女教育手当

5 住宅手当

6 臨時に支払われた賃金

7 一か月を超える期間ごとに支払わる賃金

となり、物価高騰対策手当とか銘打っても残業の基礎に含まなくてはなりません。

賃金上昇が会社負担に及ぼす影響として一つの指標となるのが労働保険を計算するたの

概算保険料申告書です。

基本給が5%増えると年収が約5%増加します。(上記手当を考慮せず)

つまり確定保険料(退職者がいない場合)に5%かけて保険の会社負担分(約15%)をたした金額が会社負担分になるわけで、売り上げや経費が同じだとすると、営業利益からその分が削られる計算になります。

売上や経費は変動するので、あくまでも目安にしかすぎませんが・・・。

2023.03.20

育児休業給付を受け取るために被保険者期間が不足していた時のお話


育児休業給付は1歳に満たない子供を養育するために支給されます。その支給要件は、

・雇用保険の被保険者であること

・休業前の2年間の間に賃金支払基礎日数11日の月が12カ月以上(被保険者期間)あること

以上のような要件が必要となっています。

顧問先の従業員の方は産前休業までにタイムカードを何回数えても2カ月間被保険者期間が足りませんでした。そこで、顧問先に提案したのが

・産前休業中に少し働いてもらう

・産後休業終了後1カ月(11日以上)働いてもらう

それで2カ月間被保険者期間を稼いて頂くというものになります。

産前休業中(出産予定日6週間前)は絶対的に労働禁止期間ではありません。あくまでも、出産予定の女性が休業を申請した時にはその者を就業させてはならない期間に過ぎないので、労働者と使用者に説明して双方の合意のもと体調を見ながら働いて頂きました。(これで1カ月稼ぎます)

次に産後休業終了後に少し働いてもらいます。産後休業中は絶対的労働禁止期間(産後6週間)ですので、その間は労働するわけにはいきません。

ですので、絶対的労働禁止期間の制約が解けたのちに、双方の合意のもと1カ月働いてもらって合計2カ月被保険者期間を満たすことにしました。

ここで疑問に思われるのは

「産後休業終了後働いても育児休業がとれるの?」

といった点だと思います。雇用保険法では、

・一歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること

と書いています。

よって産後休業終了後の被保険者と書いていないのでOKとなります。

ここで注意したい点は育児休業中は社会保険料は免除になりますが、産後休業後1カ月間働いているので社会保険は1ヵ月分支払わなくてはなりません。社会保険の加入者だったため出産手当金申請時に産前中に働いた期間は出産手当金は削られてしまいます。

しかし、何とか育児休業給付の支給申請をすることが出来ました。

2023.03.20

役員報酬が0円になった時のお話


たまに、

「代表取締役の役員報酬を0円にした場合に社会保険はどうなるのか?」

という質問を受けます。

結論から申し上げますと、社会保険の加入から外れます。社会保険の概念から、

「会社から給与を受け取っている人が加入資格がある」

という概念があるらしく、役員報酬0円は給与が発生していないので、加入資格を満たさないそうです。

では、

「代表取締役の役員報酬を5万円にした時に配偶者の扶養に入れるのか?」

という質問もたまに受けます。

年金事務所の回答では、

「代表取締役は会社の経営に深く関わっているので、役員報酬を少しでも貰っているなら、個人で社会保険の加入義務が発生する。」

との回答を受けました。

これは、会社経営にどれだけ深く関わっているかで判断するらしく、一概に監査役だからOKとか取締役だからNGとかではないみたいです。

役員の取り扱いに関しては日本年金機構は、個々の年金事務所の判断に委ねているらしく、年金加入者ダイヤルで役員に関して質問しても担当エリアの年金事務所の担当に電話して下さいと言われます。

該当する方は一度担当エリアの年金事務所に確認してもいいかもしれません。