KONO YASUTAKA OFFICE
河野恭孝社会保険労務士事務所

NEWS


お知らせ

2023.03.25

ハローワークからの紹介


「ハローワークからの紹介で求人者が来たが、条件を変えて採用してもいいのか?」

という質問を受けます。

例えば、

・経験者を希望していたが未経験者が来た

・高卒以上を募集していたが学歴が足りなかった

など、希望条件と違う労働者の方が来た時に、不採用にするのは惜しいので条件を変更して採用したいといったことがあります。

結論から言って

・双方の合意があれば問題がありません

私が住んでいる地域のハローワークの紹介状には、

・採用時ハローワークに掲示していた条件で採用したか

・条件を変更して採用したときに労働条件の明示をしたか

・条件を変更した理由は

などのチェック項目があります。

労働契約法8条では、

・労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる

と明記されていますし、民法上の契約自由の原則により信義則に反しない契約なら有効なはずです。

採用の際に、労働条件通知や労働契約書(署名捺印があるので労働契約書が望ましい)でしっかりと労働者との間で契約を結んでおくことが大切で、口約束は避けましょう。

しかし、ハローワークは採用実績や応募実績をデータに残しています。

明確な理由がない労働条件の変更は避けたほうが賢明でしょう。

2023.03.24

定年と助成金の関係


平成10年4月から定年は60歳以上であることが義務化されました。また、平成18年4月からは年金支給開始年齢の引き上げなどに対応して、65歳未満の定年の定めている場合には、「65歳までの継続雇用制度を規定しなくてはならない」とされました。

つまり、

・定年は60歳とし、本人が希望した場合は満65歳になるまで解雇事由に該当しない者は1年ごとの更新により再雇用するものとする

といった感じですね。

平成10年以前に作成した就業規則ですと、

・従業員の定年は男性60歳、女性55歳

とか、

・従業員の定年は55歳とする

といった就業規則があるかもしれません。では、そのような就業規則があった場合に55歳定年制という項目は有効か無効かという問題が出てきます。

結論から言って法令に違反する就業規則はその部分は無効になります。

助成金担当者は添付書類に就業規則がある場合には定年制の項目等をチェックして法令に違反していないか確認しています。

あと、所定労働時間が違うケースもありました。44時間の所定労働時間が認められない事業所で所定労働時間が40時間を超えていたとかですね。

このような定年制の項目や所定労働時間などが法令に認められない就業規則が提出された場合には、就業規則の変更や残業代を追加で支払って下さいと言われます。

変更した就業規則を持って行って、対象期間の給与を計算し直し給与を調整して審査を続行することになります。

2023.03.24

週休3日制を考える


大手企業を中心に週休3日制を導入する企業が増えています。中小企業では週休2日制もままならない企業が多いのに、大企業で週休3日制なんて導入されたら人材の大企業の集中化がさらに加速します。

週休3日制におけるアンケート結果で興味深いものがあり、

・週休3日正社員で給与は8割(8時間×4日)・・・・28.7%

・週休3日正社員で給与はそのまま(10時間×4日)・・・40.9%

という結果が出ています。

昔ながらの正社員を望む人は、

・週休2日制正社員で給与はそのまま(8時間×5日)・・・17.0%

しかいません。

この結果から、労働者の本音は「とにかく休みが欲しい!」といった点にあると思います。

中小企業の社長とお話してていつも思うことは、

「いくら給与を出せば人が来てくれるのか?」

といった質問をしてくる人が大勢います。

高度成長期でしたらこのような考え方は間違ってないと思います。この時代は男性が馬車馬のように働き、奥さんが専業主婦という時代でしたので男性がいくら給与を持って帰るかが重要視されていた時代ですから。

しかし、共働きが当たり前の時代になった令和において、この考え方はいかがなものかと思います。

給与は上げれば税金と社会保険(会社負担分も上昇)も上昇して労働者の手物にあまり残らないが、休みに税金はかかりません!

昔は中小企業の方が小回りが利いて大企業の先を進むことが出来た!

なんて言われた時代がありましたが、今では大企業の方が一歩先をいっているのかもしれません。

2023.03.24

試用期間中の解雇


試用期間中の解雇について質問をよく受けます。皆さん勘違いされていることは、「試用期間中ならどのような場合でも解雇出来る」

と間違った認識をしている点にあります。

試用期間を設ける場合は3カ月~6カ月が一般的で、業務内容が季節によって変動する等の理由があれば1年間の使用期間も可能です。しかし、2年とか3年とかの試用期間は公序良俗に違反して無効とされています。

本採用を拒否する理由として、

・遅刻欠席が多い

・所属長の指示に従わない

・健康状態(精神状態が含む)が悪い時

・暴力団等の団体と関わりがあるとき

などは認められますが、

・本人が努力をしているにもかかわらず物覚えが悪いとか

・会社の業績が悪くなったから人が必要なくなった

とかである場合の本採用拒否は認められません。

当初から期間の定めのない雇用契約を締結するのでなく、試用期間を目的とする有期契約労働を締結することを「試行雇用契約」といい近年採用する会社が増えています。

試用期間中の解雇や試行雇用契約に関しては就業規則に明示義務があり、トラブル回避のために就業規則を整備することも必要なことだと思います。

※「リスク回避型就業規則諸規定 日本法令」から抜粋

2023.03.23

人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)


建設業の顧問先様から、

「従業員が小型移動式クレーンの免許を取るんだけど、助成金とか出ないのかな?」

と連絡がありました。

建設業なら人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)が使えます。

この助成金で注意をしたい点は、

・半日の講義でも一日分の日給を支払わないと支給申請出来ない

といった点でしょう。

この顧問先様の従業員は玉掛け技能講習終了証を持っていたので、午前中の講義は免除でした。

午後からだけの講義だったので、半日分しか日給を支払っていなかったので担当から指摘がありました。

給与計算を受け持っている顧問先様で、賃金支払日前だったので社長に報告して一日分の日給で再計算することにより助成金を申請出来ました。これが支払日を超えてしまった場合には給与修正依頼書の提出が必要でした。